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【保存版】日本における「新卒一括採用」の歴史と変遷

前回は、「新卒一括採用」という日本独自の採用手法とは何かや

一気に採用できるメリットをご紹介しました。

(参照元:【新卒一括採用とは】日本独自の採用手法のメリットとは?)

今回は、なぜ日本だけこの採用手法になったのか、

新卒一括採用の歴史を20世紀前半まで遡って解説いたします。

(目次)

  1. 新卒一括採用の歴史
  2. 新卒一括採用の今後の在り方とは
  3. 最後に

新卒一括採用の歴史

近年企業の雇用形態が、終身雇用や年功序列制度が以前と比べて絶対的なものではなくなり、

自身のスキルアップやキャリアアップを狙った転職なども増えており、

雇用形態は変化し続けているものの、新卒の学生を採用する

新卒一括採用は今なお続く日本企業の雇用形態の基礎となっています。

 

日本に大学が誕生したのは明治10年頃(19世紀後半)のことです。

当時はまだ旧帝国大学しかなく、大卒者そのものが非常に稀有な存在でした。

彼らの多くは学界や官僚を目指していましたが、

豪商に端を発する一部の大企業でもそう行った優秀な学生を自分の会社に入れようと

大学卒を定期採用するようになりました。

これが新卒採用の始まりです。

その後、1918年に政府が大学令を公布したことで大学の数が増加しました。

これまでは専門学校扱いだった私立大学が参入したことで新卒学生の数が一気に増え、

さらに第一次世界大戦や関東大震災の影響から就職難が訪れます。

これを機に多くの学生から選考を行い、選抜した者を自社に迎えるという形式が当たり前になり、

現在の新卒の就職活動のモデルが確立しました。

それまでは企業側は大卒者だけでなく、高等小学校卒業者を多く採用し、

ビジネスの基本や高等教育(今でいう研修のようなもの)を社内で施していました。

優秀な若者を採用し、長い時間をかけて戦力として育成していくシステムを構築していたこともあり、

大卒者も社内で育成しようとする考え方が浸透していきました。

世界恐慌などの影響により、1930年頃までは就職難の時代が続きますが、

日中戦争の特需を皮切りに売り手市場の時代が始まります。

初任給の高騰を抑える目的で、大学名に関係が無い初任給の一律化が行われるなど、

育成システムと共に現在の新卒採用とほぼ同じ形になっていきました。

そして1950年代には当時の文部省が就職協定を通達し、

ある時期になると皆が一斉に就職活動を開始するという状況が見られるようになりました。

この時期になると戦前のように幹部候補生のみに大卒者を採用するのではなく、

営業職などの現場で仕事をする前提の人材も採用されるようになります。

社内でビジネスの基本を教え、長く働くことで給料がアップしていく給与体系がセットになり、

新卒で入社した会社に定年まで勤めることが当たり前の時代になります。

学生たちが求人情報を探して応募するのは1960年代後半から一般化してきます。

これまでの採用は大学側からの推薦が中心でしたが、

学生運動により学校推薦が難しくなってきたことがきっかけでした。

この頃から求人情報産業も出始めます。

「良い大学を出て大きな会社に入って一生安泰」という概念はバブル崩壊を経て、

その後2000年頃までは学生の中でも当たり前の考え方になります。

しかし1997年の就職協定廃止により就職活動が長期化したことや、

大学卒の希少性が無くなったことによって新卒で就職が出来ない学生が増えたこと、

企業が求める人材のイメージと大多数の学生が乖離してきたことで新卒採用は転機を迎えます。

景気の回復で人材が必要になっても、実際に採用されるのは一部の優秀な学生だけであるなど、

大学卒業=大手企業への就職と言う図式が崩壊しているのです。

また、IT化やグローバル化の影響により、優秀でもなく、

社会常識も身に付いていない新卒を採用するなら海外の人材や、

いわゆる第二新卒にも目を向けようという考えが企業側に広がっています。

このように、戦前から日本では、自社で社員の教育を行い、

自社で活躍する力を身につけてもらうという形が一般的になり、

そのために、国がルールを設け、全員で同時にスタートし、

卒業と同時に就職するという今の形に落ち着いたとのことです。

新卒一括採用の今後の在り方とは

今は売り手市場が続いていることもあり、しばらくは今の新卒一括採用は続くことが予想されます。

しかし、最近は起業をしやすい環境が作られていたり、

大企業の大量リストラやAIやロボットによって仕事の大半を奪われることが目に見えている為、

優秀な学生は、大手ではなく、AIやロボットに代替されない仕事に就こうとする方が増えております。

その為、新卒一括採用という採用手法はこれからもずっと存続するかというと、

そうではない可能性も考えられます。

採用する側も状況が変わったとしても対応できるように準備しておきたいですね。

最後に

今回は、新卒一括採用の歴史に関してご紹介いたしました。

日本では、大学の歴史ととても密接に関わっているんですね。

是非、採用担当の皆様には、その状況に合わせた採用活動を行えるよう、

準備をしておくと、どんな状況でもあたふたすることはないので、

日頃から自分たちで方向を決めて柔軟に対応できるように準備していただければと思います。

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